上方歌舞伎の会、新年会レポ・・・その1
先週の土曜日(15日)、梅田コマ劇場で「SHIROH」を見た後、難波で開催された「上方歌舞伎会友の会」新年会行ってました。
上方歌舞伎会っていうのは、毎年8月に大阪の国立文楽劇場でお弟子さんたちが集まって開く勉強会の名前で、その勉強会を応援するファンが集まってできてるのが友の会です。で、1月は上方歌舞伎会メンバーの役者さんたちのほとんどが大阪松竹座に出演してはるので、新年会があるんやんか。あと8月の勉強会の前にも茶話会があるかな。
新年会が始まったのは7時からやってんけど、そこはまだ現在松竹座で舞台上演中やから、役者さんたちも終わった人から順次参加するっていうことで、なんと最後に来た人は9時30分ごろやったかな、最後の人の挨拶が終わった瞬間、お開きの撮影会やったから(笑)。狭い舞台に30人くらい大ベテランから1年生まで並んでたけど、絶対後ろの人は写ってないやろな。
話は会の初めに戻るけど、今年の上方歌舞伎会は15回目を迎えるということで、勉強会の今昔の話を片岡松之亟さん、中村鴈乃助さん、中村扇乃丞さんの三人が10分ずつしてくれはりました。
松之亟さんは大ベテランの女形さんで、若い頃は歌舞伎の本興行が終わった次の日に勉強会を開くことがあったんやそうです。それで先輩の役者さんのところに勉強会にする役のことを聞きに行っても「見て覚えなはれ」とか言うて全然教えてもらえなかったんやて。それで毎日その役者さんがやってることを台本に書き込んで覚えはったそうです。そうやって勉強した役が一番覚えてるっていうてはったかな。
先代の仁左衛門さんが大阪府民劇場賞を受賞した時に、当時のお金で100万円をもらわはったそうです。それでそのお金を「みんなで使い」と勉強会用に御堂会館を借りてくれはったんやて、それで初めはAさんとBさん(ちょっと実名は差しさわりがあるんで仮名ですいません)の二人でということやったんやけど、この二人が演目やら役もめで喧嘩して全然前に進まへんもんやから、怒った仁左衛門さんが「もうあの二人にはさせへん、お前らやり」と松之亟さんたちが勉強会させてもらわはったそうです。(この話を聞いて私は個人的に大受けしてしまいました)
昔の役者さんって、すごく厳しくて芯の人(主役)よりちょっとでも前に出てたり座ってる向きがおかしかったら、あとで袋叩きにされたんやて。それにちょっとでもいい役をもらおうもんなら、ものすごくいじめられたらしい。
こういう話は、芸談なんかで読んだことはあったけど、やっぱりあったんやなぁって感心しちゃいました。
松之亟さんがこんな面白いお話をしてくださっていたら、横から次の出番を待っていた鴈乃助さんが「江戸時代の話」ってちゃちゃいれてはったけど、松之亟さんが若かりし頃やったら、明治生まれの役者さんも何人かいてはったやろうな。
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コメント
歌舞伎の新年会ですか、ちょっと覗いてみたいかも。
生の舞台は、高校の鑑賞会で「俊寛」を見たきりです。
俊寛はどなただったか忘れたんですが、千鳥は秀太郎さんでした。(昔の話)
投稿: あわはぎ | 2005.01.19 22:29
あわはぎさん、こんばんわ
「俊寛」をご覧になったんですね。割りに地味な芝居だったでしょ。でも結構高校生のための歌舞伎教室ではよくかかる演目なんです。
>歌舞伎の新年会ですか、ちょっと覗いてみたいかも。
世間でお目にかかるのとはちょっと違う人たちがごろごろいてて楽しいですよ。ベテランの女形さんなんか、スタイルは背広なのに物腰とかしゃべり方とかはおばちゃんだったりするし。
上方歌舞伎塾を出た20歳~30歳くらいの若い子も20人くらいいるんで、賑やかでした。
投稿: 村をんな | 2005.01.20 19:28