伊勢音頭恋寝刃
この話は、伊勢に住む医師が伊勢古市の茶屋(遊郭のこと)のお紺という女郎さんに入れあげとったんやんか。ある日、他の客にお紺を取られて頭にきた医師は、酒乱の気があったこともあって、7人斬り(あるいは9人斬りとも)したという実話を元にしてできたお芝居。
夏芝居として結構よく舞台に掛かるよね「伊勢音頭恋寝刃」。
伊勢御師(伊勢神宮の身分の低い神官)の福岡貢は元主家の今田万次郎のために、お家の重宝の刀・青江下坂(刀の名前が青江下坂って変やよね)とその刀の折紙(鑑定書のこと)を探すために、苦労するんやんか。
やっとの思いで刀を手に入れて今田万次郎に渡そうと、万次郎の行方を捜しているうちに油屋(遊郭の名前)に現れるんやんか。
で、万次郎が来るまで茶屋の店先で待っていようとすると、いじわるな仲居万野が現れて、客でないなら帰れって言うねん。じゃぁ、なじみのお紺を呼びたいっていうたら、他にお客があるからあかんって言うんよね。その代わりに別の女の子を呼ぶんやったら、店におってもいいっていうんで、そしたら万野に任せるんで、誰でもいいから呼べっていうたら、はっきりいうて"おへちゃなお鹿"が来るんやんか。お鹿が貢に惚れてるのを利用して万野はお鹿からお金を巻き上げとったんよね。
そんなこんなでいらついてるところにお気に入りのお紺からも、縁切りを切り出されて満座で恥をかかされたもんやから、とうとう貢はぶち切れて、手当たり次第に人を殺し始めたってストーリー。
村をんな的見所・・・この福岡貢という役は、今なら片岡仁左衛門がすっきり演じてかっこいいんやけど、その主役を松次郎君がやるなんて、なんかもうびっくりというか、もう感慨いっぱいって感じ。たぶん愛之助君だってまだやったことないんちゃうかな貢の役、それを勉強会とはいえ松次郎君が先にやっちゃうんやもんねぇ。
それと料理人喜助の役をやるのが佑次郎君で、これもぴったりとちゃうかなぁ。佑次郎君って、上方歌舞伎会友の会のお茶会で一度お話させてもらったことがあるんやけど、ちょっと天然な男の子でおもしろい子でね、お気に入りです。
この芝居の要・万野の役は大ベテラン松之丞さん、怖いでぇ(笑)。
というわけで、今回の上方歌舞伎会で一番村をんなが見たいのが「伊勢音頭恋寝刃」なのです。
<<参考文献 十三代片岡仁左衛門著「夏祭と伊勢音頭」>>
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