« 第15回上方歌舞伎会 | トップページ | 今年はパスワードがいるんかいな »

2005.06.17

車引の場

 「菅原伝授手習鑑」は「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」と並ぶ三大名作義太夫狂言の一つです。
 菅原道真が藤原一族に陥れられて、大宰府に流され憤死し、祟りを恐れた朝廷が菅原道真を天神として祭り上げた話を元にして、竹田出雲・並木千柳・三次松洛・竹田小出雲の合作で、延享3年8月に初演されています。

 で、「車引の場」なんやけどこれは菅原伝授手習鑑の三段目の口のお芝居なんよね。三段目は白太夫の一家の話。白太夫は道真の領地佐太村の百姓なんやけど、三つ子の息子がおるねん。で、今でも三つ子といえば、かなり珍しいでしょ。昔ならなおさらやん。それで三つ子が元気で育ったのはめでたいと、三人とも朝廷の牛飼いに雇われるねん。昔貴族が乗ってた御所車は牛で引いてたから、牛飼いが絶対にいるやんか。
 親王家に仕えたのが桜丸、菅丞相(菅原道真のこと)家に仕えたのが梅王丸、藤原時平家に仕えたのが松王丸。桜丸は親王と丞相の娘苅屋姫を密会させるねん。それを藤原時平にかぎつけられ、苅屋姫を親王と結婚させて皇后の位につける野心があると讒言され、菅丞相は筑紫に遠島とされてしもうたんよね。
 で、やっと三段目の口「車引の場」になるんやけど、ストーリー的には菅丞相の奥方の行方を尋ねる梅王に行き合った桜丸は丞相が流罪になったのは自分が恋の取持ちをしたからだと二人で嘆いているところに、藤原時平が吉田神社参詣から戻ってくるねん。これぞ敵と阻もうとしたところに、松王丸が現れて争うという、たったそれだけなんやけどね。
 そこがそれ歌舞伎の様式美があふれて、華やかな一幕 所要時間約40分。
 
 村をんな的見所…悪役藤原時平役は芸暦?十年の當十郎さんがなさるんやけど、それ以外は上方歌舞伎塾出身の若手揃いなんよね。
 梅王丸の千次郎君は真面目でこつこつがんばってて、見てて安心かな。桜丸やる扇一朗君は去年から上方歌舞伎会に出演してて三番叟を踊ったんやけどめっちゃがんばってたんでびっくりしたなぁ、ちょっとお茶目な感じの子です。松王丸の千志郎君は体格ががっしりしてるし、なかなかいい男の子です。

 <<参考文献 演劇界増刊 歌舞伎名作案内2 演劇出版社・十三代片岡仁左衛門著「菅原と忠臣蔵」>>

|

« 第15回上方歌舞伎会 | トップページ | 今年はパスワードがいるんかいな »

女の悪所は芝居小屋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/10431/4598018

この記事へのトラックバック一覧です: 車引の場:

« 第15回上方歌舞伎会 | トップページ | 今年はパスワードがいるんかいな »