相棒 プロテクト
東京拘置所に収監されている御影康次郎は既存の組織に属することなく、完全な成り上がりだがみるみるうちに頭角を現し、業界を席巻するまでの存在になった。康次郎には三人の息子がおり、長男・真一は刑務所から出所したばかり。次男・悠二は弁護士として父や兄の事件を担当していた。
10年前、康次郎の殺人教唆や真一の殺人未遂裁判で三男の智三は検察側の証人として、父や兄に不利となる証言をしていた。自分たちを裏切った智三を許せない真一はなんとしてでも智三を探しだそうとする。
悠二は智三が見つからないのは今だに当局に保護されているかもと考えていた。証人保護プログラム、日本には無いが小野田官房長が智三を守るために力技で実行したと推理していた。
小野田官房長の存在って、今だに相棒に根強くあるんやなと思ったよね。その上、1億円の使途不明金まで押し付けられてるやん。官房長が刺された映画のシーンまで取り込まれてるし。
康次郎は拘置所内の理髪室で瀬戸内米蔵に接触する。テレビドラマで津川雅彦と中村嘉葎雄の共演なんて、こんな贅沢なのそうそう見られへんよね。
瀬戸内が小野田と昵懇だったことから、小野田を脅して智三の居場所を知ろうとする御影ファミリー。真一が実行役となって刑務官の妻と娘を人質にする。
刑務官の家族を助けるために、瀬戸内口は智三の捜索を右京さんたちに依頼する。
今回のストーリーでは日本の戸籍制度が重要な鍵になってたよね。実は私も父親が亡くなったことで本籍地から戸籍を取り寄せたりしてたから、めっちゃ勉強になったもんね。戸籍が電算化されて、明治以来手書きで書き足されてきた戸籍がデータという形で活字になってるのも実際に目にしたから、思いっきり納得できちゃったしね。日本人の苗字って、普段は略してるけど戸籍上の字は結構難しいって人いてはるやんか。そんな漢字もすべて活字化されたんやろな。
一人の人間の情報として父母の名前や出生地、例えば母親なら結婚前の本籍地とか両親の名前とかまでちゃんと入力されていて、それを間違えたらアカンわけやから、凄い作業。これのためにどれだけの税金が使われたんやろ。
瀬戸内を真一から守るために、康次郎を智三の墓に連れて行く甲斐次長。ここでは中村嘉葎雄と石坂浩二が会話してるやん。これまた贅沢やんか。
康次郎は智三の墓の前で、自分が贔屓にしていた息子は真一ではなく智三だったことを話し始める。
真一は父の関心を引こうとして、父と同じ道を選んだんや。真一が智三に対して、裁判で検察側の証人になったことだけやなく、実は父親が自分よりも智三のことを愛しているっての、子供の頃から感じてたからよけいに殺したいほど嫉妬してるんやろな。
真一の元にやってくる右京さんとカイト。この回が放映される前に、ネットでまことしやかにカイトの殉職説が流れてたから、ヒヤヒヤしながらこのシーン見てたもんね。真一に撃たれて倒れたカイト。もうどれだけがっくり来たことか。ところがどっこい真一だけやなく私まで騙されてた。真一、隙を狙われてカイトに手錠はめられちゃった。
カイト、防弾チョッキ着てたから助かったけど。でも真一はカイトに手を頭の後ろで組ませて、跪かせたやんか。あの状態やと胸よりも頭を撃ちぬいてまう確率のほうが高くなるんちゃうん。真一もカイトを撃つときは座る形にはしてたけどね。
拘置所に戻った康次郎のところにやってくる甲斐次長。康次郎に「自分は息子三人三様に愛した、あんただってそうだ」と言われた甲斐次長。
甲斐次長とカイトのもつれた親子の感情は、まだまだ引きずっていきそうやね。
それにしてもカイトの兄さんって東大に行ったあとどうしてるんやろ。財務省あたりの役人にでもなってるんやろか。ぼちぼち兄さんが登場してもええんちゃうん。
で、この回を見たあとで、父親と三人の息子って、なんか引っかかる設定やけど、なんやったっけって、ずっと考えてたんよね。
やっと思い出したカラマーゾフの兄弟。ということでカラマーゾフの兄弟を相棒風に味付けしたらこんな話になったんかな。
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