蜷川幸雄さん 関連書籍
蜷川幸雄さんが亡くなられたということで、私が持っている蜷川幸雄さん関連の書籍を引っ張り出してきました。
一つは1998年4月~6月にNHK教育テレビで放映された人間大学の講座 ”舞台・夢を紡ぐ磁場「ロミオとジュリエット」を演出する”のテキスト。
18年ぶりに再読し始めたんですけど、12ページにこういう記述がありました「私には、老いとともに、年齢とともにだめになっていくということに対する恐怖が非常にあります。これから年をとってだめになるのか、そうではないのか、勝負をしたい。」
そうか、それで最後の最後まで仕事をつづけてこられたのかと、うなずかされました。
まだ全部読み終えてないのですが語り口調で、ご自身の演出に対する考えはどのような体験から生まれてきたものかなどが詳しく解説されていて、とても面白いです。
モノクロで小さいんですけど、貴重な写真も掲載されていて、このテキスト、持ってて良かったなと今更ながら思っているところです。
そして写真集の方は、山口猛さん監修の ”蜷川幸雄の挑戦 イギリス公演紀行 ドキュメント「NINAGAWAマクベス」から「リア王」まで”
2001年2月25日初版第1刷発行 平凡社
2000年12月に亡くなられた嵐徳三郎さんの王女メディアの写真が素晴らしくて買ってしまったものです。海外での蜷川幸雄さんの動きや評価がまとめられていました。
私は蜷川さんのお芝居では徳三郎さんが出演されていたということもあり、「王女メディア」「近松心中物語」「NINAGAWAマクベス」を中心に拝見してきました。特に坂東三津五郎さんが忠兵衛をなさった「近松心中物語」が大好きでした。
歌舞伎ならば型として演出は代々受け継がれていくのでしょうが、現代演劇である蜷川幸雄さんのお芝居は蜷川幸雄さんの存在なくして成立することはありません。
これからはもう私が持っているテレビ中継をビデオ録画し、それをDVDに焼いたものを見ることしか蜷川さんのお芝居を楽しむことができなくなってしまいました。
今年2月に拝見した「元禄港歌」。たまたま目にした雑誌で市川猿之助さんが語られていたのを読んで、これは是非見に行かなければならないと思ったのです。
まさか「元禄港歌」が私にとって最後の蜷川芝居になるとは思いもよりませんでしたが、行っておいて本当に良かったと心からそう思いました。 合掌
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